認知症カフェについて
実は認知症に関する国の資格はありません。
認知症には精神科医という医療的要素が入るので、認知症ケアに関してはお医者さん以外の国家資格がないのが現状です。
しかし、医師は基本的に認知症の進行を遅らせるなどの医療行為しかできません。つまり、認知症患者本人とその家族のケアは、各自でやらなければならないのが現実です。
理不尽に思いますが、その制度の隙間を埋めるのが、この「認知症ケア指導管理士」という資格だと言えます。
認知症治療に決定的な治療はないと言われています。患者によって症状が違うためです。そのためデイサービスなどで行われる音楽や手作業など様々な療法があります。
この現状をどうにかしたいという思いで、株式会社天使の鈴でも「認知症カフェ」を開きました。
認知症カフェとは、1997年にオランダで始まりました。認知症の当事者やその家族、知人、医療やケアの専門職、そして認知症について気になる人などが気軽に集まり、なごやかな雰囲気のもとで交流を楽しむ場所のことです。
日本では2012年、厚生労働省の新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)の中で取り上げられ、2015年現在で、全国に600カ所開設されています。
福岡市は積極的に推進していて、補助金も交付されています。
ただし、補助金と言っても3年間で17万5000円と、思ったよりも少額です。
多くのカフェはデイサービスなど既存の施設内に開くケースがほとんどで、私どものように単独で開くのは珍しいケースです。私どもは無料で開放していたので、手出しだったのですが、介護用品のレンタル事業をやっていたので顧客サービスの一環という目的もありました。
実際にカフェに来所されるのは、患者さん本人ではなくご家族がほとんどですが、今では認知症ケアの情報交換の場になっています。
今年、それまでの広いカフェから民家の現在地に移転しました。
それまでやっていた、レンタル事業を譲渡し、訪問介護一本に絞り、規模は縮小しましたが、その代わりに新しいサービスを始めました。
それが4月1日から株式会社として設立した「天使の鈴友の会」です。